2017年2月1日

犬のフンの後始末は愛の証

去年ウォーキング中に見かけたポスター3枚。犬の保護団体「ドッグズ・トラスト (Dogs Trust) 」が、散歩中の犬のフンの後始末を飼い主に呼びかけるために作ったものです。どれも愛を主題にした詩や言い回しを基にしたパロディーになっているのがおもしろいです。


「Roses are red, violets are blue
I love you even more
when you pick up my poo」

基になっているのは、よく知られているこの詩。

Roses are red,
Violets are blue,
Sugar is sweet,
And so are you.

直訳すると「バラは赤い、スミレは青い、砂糖は甘い、あなたも同じ」みたいになりますが、英語の sweet には多くの意味があり、最後の「あなたも sweet」には「かわいい、愛らしい、思いやりがあって優しい」などの含みがあると思います。また、花の名前や色が何かを象徴しているとも考えられるので、解釈は(私には無理ですが)いろいろできそうです。

この詩を基にしたポスターの文句のほうは「バラは赤く、スミレは青い。フンを拾ってくれるとき、あなたのことが一層大好き」。blue と poo (基の詩では blue と you)がちゃんと韻も踏んでいます。


「It was love at first scoop」

こちらは「love at first sight (一目ぼれ)」のパロディー。scoop は「シャベルなどですくうこと」なので、「初めてフンをすくって(片づけて)くれた時に、あなたを好きになってしまいました」という「一すくいぼれ」!?


「You take my poop away」

基は「You take my breath away.」。「あなたは私をはっとさせる」「あなたを見ると息をのんでしまう」というところから「あなたは息をのむほど美しい」「息ができないくらいあなたが好き」という意味になるようです。

take ~ away  は「~を奪う、持ち去る、運び去る、連れ去る、取り除く」などの意味。ポスターの方は「あなたは私のフンを片づけてくれる」みたいな感じなのでしょうが、基になっている言い回しからの連想で「そんなあなたが大好き」というメッセージが伝わってきます。

3枚のポスターの左下部分に共通して刷られているのは、

「86% of owners are always
happy to scoop,
so show me you love me and
pick up my poop.」

「犬の飼い主の86%はいつでも喜んでフンの後始末をしています。だから、私への愛の証に、フンを拾って(片づけて)ください。」これも詩の形式で scoop と poop が韻を踏んでいます。

ドッグズ・トラストについては、英国政府観光庁のブログ記事「英国の犬事情」(2016年12月3日付)に詳しく紹介されています。

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