2012年10月10日

ウィールドウェイ その12(ナッシュ・ストリート~グレーブズエンド)

2012年10月6日(土)

ケント (Kent) のナッシュ・ストリート (Nash Street) からグレーブズエンド (Gravesend) まで、ウィールドウェイ (Wealdway) 最後の4マイル(約6.5km)を歩きました。



歩き始めてすぐに目にした植物たち。写真の上側2枚はセイヨウマユミ (spindle berry) 、下側左はサンザシ (hawthorn) 、右はローズヒップ (rose hip) です。実がたくさんなっている姿に秋を感じます。


鉄道と幹線道路A2を越える跨線橋(歩道橋)にデザインされたウサギ。「どうしてウサギがこんなところにいるの?車もウサギみたいにビュンビュン速く走れるってこと?」などと勝手なことを言っていたのですが、後にグレーブズエンドの観光案内所で理由が判明しました。ワットリング・ストリート (Watling Street) と呼ばれるこの道路は、遥か昔のローマ時代 (43-410) に重要な街道が通っていた場所で、発掘された遺物・工芸品の中にウサギの形をしたブローチがあり、それがこのデザインの元になっているそうです。

グレーブズエンドの町に入って、交通量の多い道路を歩いていた時に気になる標識がありました(写真右)。いちばん下の「グル・ナーナクなんとかかんとか」、何だかインドの香り(?)がします。


まっすぐ町の中心に向かわず、お弁当休憩がてらちょっと寄り道をして、ウィンドミル・ヒル (Windmill Hill) に上ってみることにしました。河口近くのテムズ川 (River Thames) を望むこの丘の頂上には昔、名前どおり、風車があったそうです。テムズ川をはさんだ対岸はエセックス (Essex) です。川の手前にドームが二つある白い建物があるのが見えますか。これがさっきの「グル・ナーナク・・・」というシク教寺院です。グレーブズエンドにはインド系住民が大勢暮らしていて、街中でもターバンを巻いた男性をたくさん見かけました。


グレーブズエンドゆかりの歴史上の人物の中にアメリカ先住民のポカホンタス (Pocahontas, 1595?-1617) がいます。グレーブズエンドに停泊していたアメリカ行きの船の中で1617年に病気で亡くなり、聖ジョージ教会に埋葬されたと言われていますが、18世紀前半に教会が大火で焼失したため詳細はわからなくなってしまったそうです。再建された聖ジョージ教会にはポカホンタスの像(写真左)が立っています。教会内にも史料やゆかりのステンドグラスなどがあるそうですが、この日は結婚式が行われていたので、中に入ることができませんでした。

写真右は、スーダンのハルツームで戦死した英雄チャールズ・ゴードン (Charles George Gordon, 1833-1885) の像です。ゴードンは軍人としてテムズ川岸の要塞の建設に携わったほか、地元の貧民救済、特に貧しい子どもたちの教育に尽力したそうです。


テムズ川までやって来て、ついにゴール!! 向こう岸に見えるのは、ティルベリー発電所 (Tilbury Power Station) です。

イースト・サセックス (East Sussex) のイーストボーン (Eastbourne) とケントのグレーブズエンドを結ぶ全長約82マイル(約131km)のウィールドウェイ、今年の2月末から7か月ちょっとに渡って正味12日で完歩しました。


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